2000年4月26日(水)15:54

EU拡大がドイツ・ポーランド首脳会談の中心議題

ベルリン(ロイター)

 欧州連合の東方拡大計画が木曜日にグニエズノ(グネーゼン)で始まる三度目のドイツ・ポーランド政府間協議の中心議題となる。最も重要なプログラムはシュレーダー首相(社民党)とポーランド首相イェルジー・ブゼクの会談である。シュレーダー首相、ブゼク首相に加えてハンガリー、チェコおよびスロヴァキアの首相を交えて金曜日に行われる会談でも、数カ国の中欧および東欧の国々のEU受け入れが議題の中心となろう。ポズナニ近郊グニエズノでの会談の契機は、ドイツ・ポーランドの交流1000年祭である。

 シュレーダー首相の一行は、連邦蔵相ハンス・アイヒェル、防衛相ルードルフ・シャルピング(両者とも社民党)および外務省、内務省、経済省、交通省、および環境省の事務次官から成り、ドイツ・ポーランド両国の関係の始まりとされる、オットー三世が1000年にボレスラフ一世から大司教座建設の認可を受けたグニエズノを訪問する。政府筋の情報によれば、シュレーダー首相とブゼク首相の会談では、とりわけ2年前から行われているポーランドと欧州委員会の加盟交渉の進捗状況およびEU拡大のテンポが話題となると見られている。

 ドイツはポーランドのEU加盟の弁護人を自認している。「ドイツは歴史的な理由および自らの利害からポーランド支援の手を緩めない」とシュレーダー首相は水曜日ベルリンで新聞記者を前に語った。「もちろん加盟に向けて態勢を整えておくのは加盟候補国の仕事である」と述べた。ポーランドは2003年の加盟を希望しており、EUは機構改革を行って遅くとも2002年の終わりまでには受け入れ態勢を整える予定である。ドイツの政府筋は、「加盟は客観的基準によって判断されるのであり、政治的基準によるものではない。それゆえドイツはポーランドとEU委員会の加盟交渉のテンポを決める立場になく、隣人として必要な改革を支援するにとどまる」と述べている。

 政府筋の話では、ポーランドのEU加盟に関しては農業部門と居住の自由が最大の問題となるという。EU内ではポーランドのEU加盟によりポーランドの労働力がEU諸国に大量に流入するという懸念がある。一方、ポーランドでは加盟後にEUの外国人が大がかりにポーランドの安い土地を買い漁るのではないかと心配されている。こうした問題を回避するため、過渡的規制が検討されている。政府筋の情報によれば、専門部局の会談ではとりわけ組織犯罪の撲滅と国境通行の改善および文化財の返還が議題となる。

   EU拡大の問題は、金曜日にハンガリー首相ヴィクトール・オルバン、チェコ首相ミロシュ・ゼーマン、スロヴァキア首相ミクラーシュ・ズリンダを交えて行われるシュレーダー首相とブゼク首相の会談でも中心議題となる。ポーランドとともにこの3カ国はいわゆる「ビシェグラード・グループ」を成している。ポーランド、ハンガリーおよびチェコ共和国はすでに2年前から加盟交渉が行われているが、スロヴァキアはこの三月に始まったばかりである。

原題: EU-Erweiterung Topthema bei deutsch-polnischem Treffen